【優勝者によるシールド戦講座】第ニ回 動きやすいポケモン
【優勝者によるシールド戦講座】第一回 シールド戦での強さとは? - ゲームかたりでは「シールド戦は動いた者勝ち」といった話をしました。では動きやすいポケモンとは?の話を今回は書いていきます。
動きやすさの指標
シールド戦において、以下の3点がポケモンの動きやすさの指標になります。
1.ワザの要求エネルギーが少ない事
2.ワザの要求エネルギーの内、タイプを指定する物が少ない事
3.逃げる為のエネルギー数が少ない事
1.ワザの要求エネルギーが少ない事
当然ですね。例えばワザを撃つための要求エネルギーがこちらは3エネ、相手は1エネの場合、少なくとも2ターンの間一方的に殴られます。更にそのポケモンを育てている間はベンチを育てる事ができない為、落とされたらエネの貼り直し、貼ってる間は動けない…
前回お話しした負けパターンそのままですね。なのでワザの要求エネルギーは極力少なく抑えた方が良いと言えます。
2.ワザの要求エネルギーの内、タイプを指定する物が少ない事
いきなり1.と矛盾するような事を言いますが、要求エネルギーが少ないワザだけで勝つ事は難しいです。ボクシングでジャブだけで勝とうとするようなものです。無理ではないかもしれませんが、出来るならば重いストレートも打ちたい。
理想としては、初手のバトルポケモンに1〜2エネを貼り、軽いワザで殴っている間にベンチを育て、初手が倒れたらベンチで育てたポケモンの重いワザで殴る、といった動きが出来ると強いです。
重い技はその分強力なので打てさえすれば強い。ベンチで育てれば無傷からのスタートなので数発は強力なワザを連打出来ます。相手にしてみればたまったもんじゃ無い。
そんな重いワザにおける動きやすさの指標が『要求エネルギーの内いくつがタイプ指定か』になります。
同じ火タイプの3エネワザでも、要求エネが
火無無
と
火火無
では前者のポケモンの方が動きやすい、という事です。
これに関してはシールド戦特有のポイントとも言えます。
シールド戦では基本的に1タイプではポケモンが足りないので、2ないし3タイプ程度の混合デッキを組む事になります。当然ながらエネルギーも混色となります。
これにより起こるのが
「手札のエネルギーと場のポケモンの要求エネルギーのタイプが噛み合わない!」
といった事故。
手札にエネが有り、場にはポケモンが居る。しかしエネが噛み合わないので貼れない。ワザが打てない。とてもかなしい。
こんな悲しい事態を避ける為に重要なのが、ワザの要求エネルギーのタイプ指定の少なさです。
僕の場合、タイプ指定2個以上のワザは、構築をかなり偏らせないとほぼ打てないと考えています。
具体的に考えると、シールド戦デッキにおけるエネルギーの推奨枚数が15枚前後。
3タイプ混合デッキならエネルギーは1タイプあたり5枚。たった5枚です。
エネタイプ指定2個のワザを打つには40枚のデッキから5枚中2枚を引き当てる必要があります。トレーナーズにほとんど頼れない中でこれをテンポ良く達成するのは、かなり厳しいように感じます。
また、そういったワザを打つためにエネルギーのタイプを偏らせた場合、当然ながら他のタイプがシワ寄せを受けます。エネタイプ指定1個のワザすらまともに打てないという事まで起こり得ます。事故の形が変わっただけです。
なのでエネタイプ指定2個以上のワザは、基本的に打てない物と考えています。
(逆に言えば、エネタイプ指定無しの技でそれなりに殴れるポケモンでサブを固める事が出来そうならば、エネルギーのタイプを大きく偏らせた構築も視野に入ります。やはり重いワザは打てさえすれば相応に強いですし。)
また、エネタイプ指定が少ないワザはダブル無色エネルギーに対応するものが多いため、ダブル無色がパックから引けたならこのようなワザの優先度は更に上がります。
3.逃げる為のエネルギー数が少ない事
逃げる為のエネルギー数は軽視されがちな気がしますが、とても重要な要素です。
例として、1エネでワザが打てるポケモンAを考えてみましょう。
初手でAがバトル場に立った場合、1ターン目はAに1エネ貼って(後攻なら)殴ります。
2ターン目、Aは既に貼ってある1エネでそのまま殴れるため、このターンはベンチのポケモンBへエネを貼り、Aで再び殴ります。軽い技で殴りつつ後続を育てるという理想的な展開です。
3ターン目、このターン再びBへエネを貼れば、Bが2エネワザを打てるようになります。
相手のバトルポケモンの残りHPを見ると、Aのワザでは倒せないがBのワザなら倒せる。
更に、このターンで倒さなければ次の相手のターン、Aが相手のワザで倒されてサイドを取られてしまう…
この様な状況になった時、Aの逃げる為のエネルギー数によって、以下の3つの展開に分岐します。
1.逃げる為のエネルギー数が1以下
最高です。満身創痍のAはワザに使っていたエネルギーで逃げ、「後は任せろ」と言わんばかりにベンチから颯爽と現れたBが敵にトドメを刺しサイドを取ります。
2.逃げる為のエネルギー数が2
この場合、以下の2つの選択肢が存在します。
(i) Bにエネを貼り、Aは玉砕覚悟でそのまま殴る。
(ii)Aにエネを貼って逃がし、Bを前に出す。
3.逃げる為のエネルギー数が3以上
残念ながら選択肢は有りません。Aは死ぬしかない。
ここで注目したいポイントが
2.(i)や3.でこのターンAが殴る事がほぼ無駄である
と言う事です。Aが殴ろうが殴るまいが次のターン前に出るBのワザで倒せるので。
また、2.(ii)の選択肢を取った場合、このターンAに貼ったエネルギーは逃げるですぐにトラッシュされるので無駄になり、更にBも無駄に1回殴られます。無駄のオンパレード。
『動いた者勝ち』であるシールド戦で、無駄な動きを強いられるこれらの選択肢はとても弱いと言えます。
これはあくまで1つの例であり、実戦ではこの様に逃げる為のエネルギーが状況を左右する場面が多々有ります。ポケモンを選ぶ際にはワザだけでなく逃げる為のエネルギーにも注意する必要が有ります。
先ほどの例で考えるなら、ワザで要求するエネルギー量以内で逃げる事が出来ると言うのを1つの基準とすると良いでしょう。
今回のまとめ
動きやすいポケモン三箇条
1.ワザの要求エネルギーが少ない事
2.ワザの要求エネルギーの内、タイプを指定する物が少ない事
3.逃げる為のエネルギー数が少ない事
デッキを組む際に思い出して頂ければと思います。
第一回から攻める話ばかりだったので、次回は守り的な話を書こうかと思います。
7/20 第三回更新しました↓