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【優勝者によるシールド戦講座】第三回 シールド戦における「守り」

第一回第二回 では攻め寄りの話が続いたので、今回は守りの話です。

 

前提:攻撃は最大の防御

守りの話をすると言っておきながら、いきなりコレです。

 

ポケモンカードゲームにおいて、相手のバトルポケモンを気絶させるというのは

  • サイドを取って勝利に近づく
  • サイドから手札を補充する
  • 相手の戦闘要員を除去する

の3つを兼ねる事が出来る非常に強力な行動です。

このうちの3つ目が「攻撃は最大の防御」たる所以です。相手の殴れるポケモンを倒してしまえばそもそも殴られないという考え。実に脳筋

単純な考えですが、シールド戦ではエネ加速やドローが乏しく、殴れるポケモンを複数育てる事が困難な為、とても有効な手段になります。

この前提が有る為、シールド戦でのカード選びでは、早く強く殴る為の攻撃的なカードがまず優先され、防御的なカードはあくまでそのサポート、と言った立ち位置となります。

 

防御的なカードの役割

防御的なカードとは

  • 火力が控えめだが、回復や妨害の効果を持ったポケモン
  • ポケモンを回復したり逃したりするトレーナーズ

を指します。

そしてこれら防御的カードには、大きく分けて3つの役割が有ります。

1.殴り続ける為の回復

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前提でも書いた通り、シールド戦では殴れるポケモンを複数育てるのは難しい事です。なので一度強い技が打てるポケモンが育ったなら、1ターンでも多く殴って欲しい。単純にダメージが多く稼げるだけでなく、その間次のポケモンを育てる事が出来る為、倒された後にも殴り続ける事ができます。これを叶える為に回復効果が使われます。「それなりの打点で殴る」と「回復する」を両立するミュウツーGXの下技は、この目的においてトップクラスの強さを誇ります。

 

2.強力なポケモンを引くまでの時間稼ぎ

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例えデッキにGXポケモンを入れる事が出来ても、場に出す前に負けてしまっては意味がありません。

回復効果の他、妨害系のポケモンはもっぱらここに当てはまります。ミュウツーGXと比べると火力が控えめなパルキアの上技も1.よりこちら寄り。

 

 

3.サイドを取られない為の回復や逃げ

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2.の様な時間稼ぎ目的と言うよりは、終盤の「どちらが先にサイドを取り切るか」といった場面で相手の計算を狂わせると言う意味合いが強いです。

 

これら3つの役割を理解しているかどうかで、防御的カードの採用やプレイングの強さは大きく変わります。

例えば2.の目的に当てはまる様な妨害カードの採用は、デッキに強力なポケモン(GXや2進化)が入っている事が大前提となります。「妨害している間に自分のベンチを育てよう」と思って採用しても、妨害している間育つのは相手ベンチも同じなので、後続が相手よりも強いポケモンでなければあまり有効な手にはならないでしょう。

また、ポケモンブリーダーの様な回復カードは1〜3全ての目的で使えますが、それ故に使いどころが問われます。ベンチにもう強いポケモンが育っているのに、バトル場の軽いワザのポケモンを延命させる為に使ってしまうのは、勿体無い手だと言えます。

 

このように、防御的カードは攻撃的カードと比べると扱いが難しい面が有りますが、それに見合うメリットが有ります。

 

防御的なカードは相手の計算を狂わせる

ひかる伝説には「こだわりハチマキ」や「ククイ博士」のような、手札から出してダメージを上げるようなカードが収録されていません。そのため、現在の盤面+手札からの1エネ(特殊エネに注意)で出せるダメージ以上が飛んで来る事はまず有りません。

「HP20残しで生き残る計算だったのに、ククイ博士で倒されてしまった!」

のような事は起きません。正しく計算して生き残ると予想出来たなら、まず間違いなく生き残ります。

逆に

「次のターンで倒せる計算だったのに、ポケモンブリーダーで回復されて倒せなくなってしまった!」

といった事は起こります。

このように今回のシールド戦において、防御的なカードは相手の計算を狂わせる数少ないカードとなります。扱いは少し難しいですが、使いこなせれば大きな力となるでしょう。

 

おまけ:HPの「壁」

防御面でのちょっとした雑学的お話です。知っていれば何かの訳には立つかもしれません。

 

今回のシールド戦において、HPには「これ以上と未満では頑丈さが1ランク違う」と言う"壁"が存在します。その壁とは「HP70」と「HP130」です。何故この壁を超えれば頑丈かと言うと、

「HP70」

  • 30ダメージ×2回で死なない
  • 60ダメージでワンパンされない

「HP130」

  • 60ダメージ×2回で死なない
  • 120ダメージでワンパンされない

使い勝手が良く採用率が高いポケモンの多くが上記の30・60・120ダメージを出してきます。

そのような採用率が高いポケモンに対して1ターン多く生き残れるというのは、とても有利になります。

 

この知識が何故雑学止まりかと言うと、「そこまで気にしてポケモン選べるほど選択肢が無い」の一言に尽きます。ただでさえ10パックという限られたプールの中で使えるポケモンを選定しなければいけないのに、「こいつはワザはそこそこ優秀だけどHPが120だからダメ」なんてワガママを言っている余裕は有りません。あくまでただの雑学として頭の片隅にとどめておく程度で十分です。

 

今回のまとめ

  • 攻撃は最大の防御が基本。防御はあくまでサポート。
  • 防御的カードには3つの役割が有る。使いこなすためには意識すべし。
  • 防御的カードは、相手の計算を狂わせる数少ない手段である。

 

基本戦術的なお話は今回で終わりにして、次回は実際にシールド戦で強いカードを紹介・解説しようかと思います。